わたしの身体が覚えている海《短歌》

白波が寄せてはかえす桂浜わたしはなにを洗濯しようか

強風に嵐の予感を覚えつつ胸いっぱいに潮風を吸う

水平線見つめる視線は美しく未来をずっと信じ続けた

朝露にけぶる浜辺にうつる色 白のち藍とちょっとブルー

オリーブの香りが漂う白亜の塔 凪の水面にひとひらおちる

青々としげる木々の間から ふいに刺しこむ太陽の手

気まぐれに右へ左へ流れゆく旅路の先はいずこであるか

あのカーブ曲がった先には水しぶき目を閉じても残るキラキラ

古のつはものたちが眠る底あなたの夢は拾えるだろうか

夜の底ゴウンゴウンと響く音 朝にはきっと新しい世界

夕暮れに今か今かと待ち望む夜空をさいてひらくはなびら

トンネルを抜けた先には潮騒が光とともにざわめいている

海岸をはしる車の窓開けて191(いちきゅういち)の行く先を見る

波音よ彼方に響く単線にロックンロールを叩きこめ

いつまでもどこにいたとて色褪せぬわたしの身体が覚えている海

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