第三話 Candy, Jam and chocolates -3 years ago-
三、 ――その日は冬の終わりの寒い日だった。「違法薬物の検挙、」「そう、最近激増してるんですよ。大体長い休みを挟むと増えるものなんですが、今年はちょっとペースが異常ですね」 冷える指先を擦り合わせながら松本が〈アンダーライン〉に出勤すると、…
ピュア・ペネトレイション 文章
第二話 Don’t miss the imposter!
二、 ――その日は、夏の手前の蒸し暑い日だった。「またデジタル詐欺ですか?」 と、〈アンダーライン〉第三部隊執務室で苦りきった顔をしているのは眞島だった。デジタル化が進んだ都市国家〈ヤシヲ〉において、金融機関もデジタル化が進んでおり、いわゆ…
ピュア・ペネトレイション 文章
第一話 Reproduction
夜、街灯もない田舎道を自動車でひた走る。 人力運転の自動車が主流だった〈アンダーライン〉においても、ずいぶんと入れ替えが進み、今や大半の自動車が自動運転技術を搭載したものに変わった。 だが、相変わらず【住】地区二十番街〈ウプシロン〉に向か…
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王者の花の こがねひぐるま
髪に挿せば かくやくと射る 夏の日や 王者の花の こがねひぐるま(与謝野晶子作)
フルーツ女学園 文章
UNDERGROUND
2023/2/5初出
アンダーラインセルフ二次創作。IFの世界。もしも六条院と松本が【地下街】で生きていたらの話
XXX 文章
浴槽とスーツケース
※3/5のイベントで出す本のサンプル(約6500文字)です。○降りしきる雨の中、そのスーツケースは立っていた。近くには持ち主と思しき人間は誰もいない。長期で出張をする人間が使うような大きなスーツケースを道行く人間はちらりちらりと見ながら通り…
スピンオフ 文章
嶽中の千手
※2/23イベントで出す本のサンプル(約6500文字)です。※若干のホラー表現があります。※これに後日談を書きおろして本にします。○非常に珍しいことにその日の朝一番の呼び出しは各地を巡回している隊員たちからの入電ではなく、〈アンダーライン〉…
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バニラ
恋人を亡くしたばかりの男(26)×そんな男にうっかり惚れてしまう男(36)
土砂降りの雨の中、入海渚(いるみなぎさ)は喪服姿でたたずんでいる青年・黒田葵生(くろだあおい)が気になって声をかけてしまう。
恋人を亡くしたばかりだという黒田となりゆきで共に暮らすことになった入海だが、その生活が長く続くはずはなく――。
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