短編

冬の朝、図書室にて 春の夕暮れ、正門を抜けた先で

冬の朝の図書室には二人だけだった。 私の地元にはいわゆる大手の予備校が1校もなく、受験勉強といえば教室か図書室で、寒かったことを覚えている。 今日もどこかでがんばっているすべての受験生へのエールを込めて。誰かと一緒のはずなのに孤独な戦いも時がくれば終わる。その戦いをやりきったすべての人の健闘をたたえたい。

少女T

その屋敷には教授と呼ばれる男性とお手伝いの人が何人か住んでいた。